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加東 岳史。 最近、涙もろくなった乙女座O型。 素敵なLove Storyを皆様にお届けします。 何をやっている人かと言うと、(1)役者 (2)脚本家 (3)演出家 (4)劇団代表 (5)小説家 (6)DJ (7)秘密 と、イロイロな顔を持ってます。
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第13話 ノアの事(4)

「じゃあ、恵一またね」
彩夏は完全に酔っ払っている、自分は酒には強いほうだ!と豪語するけど、そんなことは無い、酔っても顔に出ないだけで中身は結構すぐ泥酔状態になる。
まず同じ話を何度も繰り返すようになる、そしてその内容は大体にして説教だ。
反論しても少し立てば同じ話を繰り返すのだから性質が悪い。
だが、今日の彩夏は説教も無かった、実に二年ぶりに会ったというのもあるが、お互いの近況報告を繰り返す感じで時間はあっという間に過ぎていった。

ノアはというとその横で大人しく話を聞いているだけで、僕に話しかけてくるでもなく僕と彩夏の会話を聞いていた。

「おい、大丈夫かよ」
「だーいじょうぶだって!んじゃ、大吾と陸には私から電話するから、崇には電話してね」
「了解、再来週の土曜な」
「部屋掃除しとけよ!」
「あのねえ、俺がいままでお前たちが乱入してきたとき、部屋が汚かったことがあったか?」
「無い!だから変なんだよ!男のくせに部屋がいつも綺麗だなんて気持ち悪い!」
「余計なお世話だよ!早く帰れ!」

彩夏との飲みは再来週に同じサークルの仲間である平井大吾、楢崎陸、小枝崇と僕の家で飲み会をしようという話で決着がついた。
他にもサークルのメンバーはいるのだが、基本的に僕たちはこの5人でつるんでいた。
どこのグループにもグループの中で更にこの数人、という小コミュニティ内コミュニティみたいなものは生まれるわけで、それは僕たちのサークルも例外ではなかった。
変な話大学のときも、授業以外では朝から晩までこのメンバーだった、全く性格の違う5人だけど、兎に角ウマがあったのだ。
大吾さんは3年浪人しているので僕たちより年上だが、いつも僕の家にいた、自分の下宿よりも僕の家で寝泊りした時間のほうが長いんじゃないかと思うくらいだったし、崇は最新ゲームを持ってきてくれたり、どこかに遊びに行くときは宿泊やらルートをしっかり検索してくる、陸は僕たちのサークルの部長だけど、何よりもリーダーシップと決断力がある頼れる男だ、彩夏はなんだかんだでムードメーカーだし、自分で言うのもなんだけど僕自身も行動力はあるほうだと思うし、きっといいチームなんだと思う。

「ねえ、さっきの彩夏さん、うちに来るの?」
「ん、ああ、再来週の土曜日ね、みんな集まるから」
「みんなって、さっき話してた大学のおともだち?」
「そうだよ、皆いいやつ、ちゃんとこっそり紹介するから」
「こっそりか…寂しいな」
「…?なんで?」
「ちゃんと紹介はしてもらえないんでしょ?」
「うん…だってそれは難しいよ」
「何で?私は恵一の彼女だよ?ちゃんと紹介して欲しいじゃない」
「無理だろ…だってノアは俺の妄想から…」
「わかってるよ、わかってるから言わないで、少しだけ悲しくなっちゃうから」

そういうとノアは足早に駅に向かって先を急いだ、まるでこの場を離れたがってるように。

「だってさ、彩夏さんと話してる恵一、いつもと口調も表情も違うんだもん、別人みたいだったよ」

そう言ってノアは微笑んだ、その微笑に僕は僅か以上の罪悪感を感じる。
まだ夜の新宿は、蒸し暑かった。


To be continued…