第3話 モモの事(1)
モモです!えっと、何を話せばいいのかな?
えっ?たっくんの事ですかぁ?はぁい!それならたくさんおしゃべりできますよ~!
たっくんは、本名は小枝崇くんって言って、25歳です!
お仕事は、なんかコピー機とか、ファックスとかをおっきな会社に売ったり貸したりするお仕事みたいです、でもなかなか買ってもらえないみたいで…
お仕事ってなんでも大変ですね!
モモ?
モモはぁ、たっくんの彼女ですよ!もう毎日ラブラブなんです!
…って言いたいところなんですけど、昨日ちょっとした事件があったんですよ…
たっくんは凄い物知りで、モモにいろんな事教えてくれたりするんですけどぉ、昨日は凄く会社でミスしちゃったみたいで…偉い人に凄く怒られて、帰りも終電だったんです。
たっくんは会社とかでつらい事とかあると、いつもの元気がしゅーんって無くなっちゃうんです。
そんな時こそモモの出番です!
優しく隣でヨシヨーシってしてあげたり、たっくんのお話聞いてあげたりするんですよ!
たっくん、終電の人もあんまり乗ってない電車の中でうなだれてため息ついてるから、モモ隣に座ってヨシヨシしてあげてたんです。
「俺、本当に何やっても駄目だよなぁ、折角一件契約取れたと思ったら、あんな単純な伝票ミスとかさ…自分で自分が信じられないよ」
「うーん、ちょっと調子悪かっただけだよ!たっくんがすごーい人だってのはモモが一番よく知ってるよ?」
「いや…モモはそう言ってくれるけどさ」
「だって今やってるパソコンのゲームだって、みんなたっくんの事凄いですね!パーティ組んでくださいって言ってきてるじゃない、たっくんより凄い人みたことないもん」
「それはゲームの中の話だろ…」
ゲームだって何だってモモから見て凄い!って思ったんだからそれでいいと思うんだけど、たっくんは昨日は本当に落ち込んでたみたいで、何言っても元気になってくれなかったんです。
そんな会話をしてるうちに電車の車両は私とたっくん、後は端っこの席で寝てるおじさんだけになっちゃいました。
「ねえねえたっくん、帰ったらさ、もう遅いけど一緒にお風呂入ろう!」
「うん…」
電車がモモたちのおうちの最寄り駅の5個手前に止まったとき
(モモたちのおうちは埼玉って所のはしっこよりなんで、電車で帰るのに1時間以上かかるんです)
女の人が乗ってきました、小柄で、ショートボブの似合う眼鏡の美人さん。
髪の色は黒で、凄く綺麗な髪の毛。
リクルートスーツって言うのかな?紺色のスーツを着て、両手で体に似合わない少し大きめな鞄をかかえてました。
それ以上にモモがびっくりしたのは、その凄く美人さんが、泣いてたこと。
電車はモモとたっくんと寝てるおじさんだけだから、どこだって座り放題なのに、その美人さんは座らないで立ってたんです、扉にもたれて、泣きながら。
「…なんで泣いてるんだろう」
「たっくん!気になるのはわかるけど、浮気ダメ!」
「浮気じゃないよ、誤解するなって」
その時電車がガクン!ってゆれました、カーブにさしかかってたのかな?
美人さんはバランスを崩して鞄を落としてしまったんです、落ちた鞄からはバサーッって書類とかノートとかが飛び散っちゃいました。
美人さんは慌てて拾おうとして、またバランスを崩して転びそうになりました。
その時、たっくんがすっと立ち上がって、電車にちらばった書類を拾うのを手伝いだしたんです。
モモ?そりゃあモモだってお手伝いしたかったですよ、本当です!
でもモモはそういうものには触れませんから、触ろうとしてもダメなんですよ。
「あ…あの、ごめんなさい、すいません」
美人さんは少しだけ驚いた顔して慌てて自分も書類とかノートとか拾い出しました。
でも、たっくんの方が少し手際がよくて、沢山拾って美人さんに手渡しました。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい、申し訳ありませんでした」
「…あの」
「はい?」
「…何か、よく分からないんですけど」
「はぁ…」
「…元気、出してくださいね」
たっくんが何言い出したのか最初モモはわからなかったです、でもきっと、たっくんは自分も凄く落ち込んでたから、モモが居なかったら独りで泣いちゃいそうだったから、美人さんの気持ちが少しだけわかったのかもしれません。
事件なのはこの後なんです。
「…え?」
「いや、あの、すいません、変なこと言って、あのぉ…泣いてらっしゃったから」
「…」
「だから、元気出してください、すいません知らない方にこんな事言って…」
そうしたら美人さんの目から一度は治まった涙がポロポロポロ沢山溢れてきて。
止められなくなって、ヒックヒック言い出して、最後は声をあげて泣き出しちゃったんです。
「え!あの…ごめんなさいごめんなさい!」
「ひっく…ごめんなさい…うぅ…ごめ…んなさい」
変なの、二人でごめんなさいって言い合ってる、でもそれ以上になんでたっくんの前で泣き出すの?
たっくんに優しい言葉かけてもらえるのはモモだけなのにぃ!
美人さんはその後も全然泣き止まないで、次がたっくんの降りる駅だって所まできちゃいました。
たっくんはその間ずっと泣いてる美人さんを見てるだけ。
そしたら、たっくん急に美人さんの頭をなでたんです。
いっつもモモがたっくんにやってあげるのと同じしぐさで。
よしよーし、って、モモだけがたっくんにしてあげるのと同じしぐさで。
To be continued…
えっ?たっくんの事ですかぁ?はぁい!それならたくさんおしゃべりできますよ~!
たっくんは、本名は小枝崇くんって言って、25歳です!
お仕事は、なんかコピー機とか、ファックスとかをおっきな会社に売ったり貸したりするお仕事みたいです、でもなかなか買ってもらえないみたいで…
お仕事ってなんでも大変ですね!
モモ?
モモはぁ、たっくんの彼女ですよ!もう毎日ラブラブなんです!
…って言いたいところなんですけど、昨日ちょっとした事件があったんですよ…
たっくんは凄い物知りで、モモにいろんな事教えてくれたりするんですけどぉ、昨日は凄く会社でミスしちゃったみたいで…偉い人に凄く怒られて、帰りも終電だったんです。
たっくんは会社とかでつらい事とかあると、いつもの元気がしゅーんって無くなっちゃうんです。
そんな時こそモモの出番です!
優しく隣でヨシヨーシってしてあげたり、たっくんのお話聞いてあげたりするんですよ!
たっくん、終電の人もあんまり乗ってない電車の中でうなだれてため息ついてるから、モモ隣に座ってヨシヨシしてあげてたんです。
「俺、本当に何やっても駄目だよなぁ、折角一件契約取れたと思ったら、あんな単純な伝票ミスとかさ…自分で自分が信じられないよ」
「うーん、ちょっと調子悪かっただけだよ!たっくんがすごーい人だってのはモモが一番よく知ってるよ?」
「いや…モモはそう言ってくれるけどさ」
「だって今やってるパソコンのゲームだって、みんなたっくんの事凄いですね!パーティ組んでくださいって言ってきてるじゃない、たっくんより凄い人みたことないもん」
「それはゲームの中の話だろ…」
ゲームだって何だってモモから見て凄い!って思ったんだからそれでいいと思うんだけど、たっくんは昨日は本当に落ち込んでたみたいで、何言っても元気になってくれなかったんです。
そんな会話をしてるうちに電車の車両は私とたっくん、後は端っこの席で寝てるおじさんだけになっちゃいました。
「ねえねえたっくん、帰ったらさ、もう遅いけど一緒にお風呂入ろう!」
「うん…」
電車がモモたちのおうちの最寄り駅の5個手前に止まったとき
(モモたちのおうちは埼玉って所のはしっこよりなんで、電車で帰るのに1時間以上かかるんです)
女の人が乗ってきました、小柄で、ショートボブの似合う眼鏡の美人さん。
髪の色は黒で、凄く綺麗な髪の毛。
リクルートスーツって言うのかな?紺色のスーツを着て、両手で体に似合わない少し大きめな鞄をかかえてました。
それ以上にモモがびっくりしたのは、その凄く美人さんが、泣いてたこと。
電車はモモとたっくんと寝てるおじさんだけだから、どこだって座り放題なのに、その美人さんは座らないで立ってたんです、扉にもたれて、泣きながら。
「…なんで泣いてるんだろう」
「たっくん!気になるのはわかるけど、浮気ダメ!」
「浮気じゃないよ、誤解するなって」
その時電車がガクン!ってゆれました、カーブにさしかかってたのかな?
美人さんはバランスを崩して鞄を落としてしまったんです、落ちた鞄からはバサーッって書類とかノートとかが飛び散っちゃいました。
美人さんは慌てて拾おうとして、またバランスを崩して転びそうになりました。
その時、たっくんがすっと立ち上がって、電車にちらばった書類を拾うのを手伝いだしたんです。
モモ?そりゃあモモだってお手伝いしたかったですよ、本当です!
でもモモはそういうものには触れませんから、触ろうとしてもダメなんですよ。
「あ…あの、ごめんなさい、すいません」
美人さんは少しだけ驚いた顔して慌てて自分も書類とかノートとか拾い出しました。
でも、たっくんの方が少し手際がよくて、沢山拾って美人さんに手渡しました。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい、申し訳ありませんでした」
「…あの」
「はい?」
「…何か、よく分からないんですけど」
「はぁ…」
「…元気、出してくださいね」
たっくんが何言い出したのか最初モモはわからなかったです、でもきっと、たっくんは自分も凄く落ち込んでたから、モモが居なかったら独りで泣いちゃいそうだったから、美人さんの気持ちが少しだけわかったのかもしれません。
事件なのはこの後なんです。
「…え?」
「いや、あの、すいません、変なこと言って、あのぉ…泣いてらっしゃったから」
「…」
「だから、元気出してください、すいません知らない方にこんな事言って…」
そうしたら美人さんの目から一度は治まった涙がポロポロポロ沢山溢れてきて。
止められなくなって、ヒックヒック言い出して、最後は声をあげて泣き出しちゃったんです。
「え!あの…ごめんなさいごめんなさい!」
「ひっく…ごめんなさい…うぅ…ごめ…んなさい」
変なの、二人でごめんなさいって言い合ってる、でもそれ以上になんでたっくんの前で泣き出すの?
たっくんに優しい言葉かけてもらえるのはモモだけなのにぃ!
美人さんはその後も全然泣き止まないで、次がたっくんの降りる駅だって所まできちゃいました。
たっくんはその間ずっと泣いてる美人さんを見てるだけ。
そしたら、たっくん急に美人さんの頭をなでたんです。
いっつもモモがたっくんにやってあげるのと同じしぐさで。
よしよーし、って、モモだけがたっくんにしてあげるのと同じしぐさで。
To be continued…
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